家族が寝静まったあと、
一人で部屋に座っている時間が増えた。
テレビをつけても、
スマホを見ても、
何も頭に入ってこない。
ただ、
「自分はちゃんとやってきたんだろうか」
そんな考えだけが、ぐるぐる回っていた。
仕事をして、
家に帰って、
子どもと向き合って、
家のことも手伝ってきた。
誰かに褒めてほしかったわけじゃない。
見返りが欲しかったわけでもない。
ただ、
意味がなかったとは思いたくなかった。
この時間も、
この生活も、
自分が積み上げてきたものだと、
信じたかった。
でもその夜、
胸の奥に残ったのは、
安心じゃなく、
言葉にできない空虚さだった。
まだ何も確定していない。
まだ何も壊れていない。
それでも、
心だけが先に、
何かを察してしまった気がした。

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