結婚して9年。
妻と付き合ってから数えると、10年になります。
夫婦仲は、悪くなかったと思います。
少なくとも、僕はそう信じていました。
子どもは3人。
にぎやかで、慌ただしくて、
「大変だけど、幸せだな」と思える毎日でした。
妻は、
人間関係がつらくて働きたくない、
という理由で専業主婦になりました。
無理もないと思いました。
外で嫌な思いをするくらいなら、
家で子どもたちと過ごしてくれたほうがいい。
そう思えたし、
そのために働くのは、
夫として当たり前のことだと思っていました。
だから僕は、
とにかく仕事を頑張りました。
残業も、休日出勤も、
「家族のため」なら苦じゃなかった。
妻が外で働かなくていいように。
子どもたちが困らないように。
ただ、それだけを考えていました。
疑う理由なんて、
なかったんです。
家庭は普通に回っていたし、
会話もあった。
少なくとも、
裏切られているなんて考えに
たどり着く要素はありませんでした。
それでも今思えば、
「信じていた」というより、
疑うという選択肢を、
最初から持っていなかった
だけなのかもしれません。
この頃の僕は、
家族のために生きているつもりで、
それ以外の可能性を
何ひとつ考えていませんでした。
まさか、
そんな日常の裏側で、
別の現実が進んでいたなんて。

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