妻はベッドの中で、
横になっていた。
部屋は暗く、
家の中も静かだった。
子どもたちはもう寝ていた。
僕はベッドの横に立って、
声をかけた。
「終わったな」
それが、
最初の言葉だった。
妻は少し間を置いて言った。
「……何が?」
僕は答えた。
「メッセージだよ」
「残ってる。
全部見た」
その瞬間、
妻は何も言わなかった。
ただ、
何とも言えない顔をしていた。
言葉ではうまく説明できないけれど、
あのときの表情は、
今でもはっきり覚えている。
驚きとも違う。
言い訳とも違う。
何かが終わったことを、
分かっている顔だった。
しばらく沈黙が続いた。
僕は言った。
「全部話して」
「じゃないと、
もう何も信じられない」
部屋の空気は、
重く静かだった。
ここから、
僕たちの時間は、
まったく違うものになっていく。

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