証拠を見つけた瞬間、
世界が崩れると思っていた。
怒りが爆発すると思っていた。
声を荒げると思っていた。
でも、
実際に訪れたのは、
静けさだった。
音が遠くなったような感覚。
現実だけが、
少し離れた場所にあるようだった。
ショックというより、
長い間感じていた違和感の答えを、
ようやく渡されたような感覚。
驚きよりも、
納得に近かった。
ああ、
だからあの時。
ああ、
だからあの違和感。
過去の点と点が、
静かに線になっていく。
心は揺れているはずなのに、
不思議なほど、
外側は静かだった。
怒りは、
少し遅れてやってくる。
このときの僕はまだ、
静けさの中にいた。

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